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Blog@arabian蒼き炎の末路これは電車で見た女の話終電に巻き起こった小さな宵酔い物語車内に立ち込めるアルコールの匂い皆の口元から溢れ出そうなファンタジー良い旅夢気分なアカリが乗った目先にはベロベロにベロを絡ませるカップル 女の方はもうグロッキー3R目にハイキックでダウンをとられたような形相相方の男がセコンドに付き座席から立ち上がらせようとした矢先唐突に携帯が鳴り男はスマホに気を取られセコンドアウト支えを失った女はバランスを崩しローリング反対側の席へおむすびコロリンさながら力石徹の最期のようでした 車内の注目を独り占めする彼女アカリの中に僅かな嫉妬の炎が燃え上がりスプリンクラー作動アカリの心のボヤ騒ぎを知ってか知らずか男も女もボヤボヤしたままもうとっくに終電の発車ベルは鳴っていますでもね 発車できないんですカップルが下車しないせいでずーっと この寒いのにドア開いたまんま あの時のアカリの気持ちをどうあらわしたものかさながら 真冬の持久走で周回遅れの同級生がゴールテープ切るの待つが如し「頑張れ」と「早くしろ」の狭間の世界決して立ち入ってはならぬ修羅の領域車内の皆の気持ちはほぼ一つになっていましたあわや鳥山先生復活かと思うほどの元気が集まり特大の終電玉がカップルに向けて放たれようかというその刹那間一髪 女はドアというゴールテープを切りました そしてドアの外でまたも女は倒れ込みましたまるでホセ・メンドーサ戦後の矢吹ジョーの如く真っ白な服で真っ青に燃え尽きてましたいや、青いからまだ炎は燃えていたのか果たして次回「蒼い炎は燃えているか」に続…きません 🍎アカリ🍎 X DM 公式LINE ✉️arabi_akari_otoiawase@outlook.jp ご予約詳細は🈁ブログ一覧
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Blog@arabianクリームテロリスト高校時代、吹奏楽部にて サックスの音色を自由自在に操り 和製デヴィッド・サンヴォーンの名を 欲しいままにしていた 期間限定超神童アカリ 藍は藍より出でて藍より青しな 青春時代を過ごした、かの部活には お互いの生誕を寿ぐという 古のならわしがありました 人はそれを「お誕生日会」と呼びました その催しの内容というのが ケーキなる糖質の塊を平らげ 全員でバースデーソングなる 異教の唄を口遊み 各パート毎に袖の下を送り合う等… げに奇怪なることこの上ないものでした しかし、行きつけの ネイリストさんの話を聞いて アカリの見ていた景色は色を失い 水を打ったように静まり返りました 「私の学校なんて、誕生日になると 顔面にシュークリーム 投げつけられてましたよ」 「え!?ちゃんとスタッフが その後美味しくいただいてるんですか!?」 「いや、ちょっと本人が ペロッとするくらいですけど」 「そんな…一体どんな悪事を やらかした報いなんです!?」 「いや、報いっていうか伝統っていうか…」 「先輩後輩関係なしにやられるんですよ」 「だから覚悟決めてる人は 化粧してこなかったり」 「じゃあ覚悟なき者は!?退学!?」 「いや、ホントに止めて欲しい人は 辞退できるんですけど」 「じゃあなんで全員 辞退しないんですか!?」 「憎しみの連鎖を 誰も止めようとしなかったんですか!?」 「誰が始めたかわかんないんですけど 意味わかんないですよねぇ」 「結局、遅かれ早かれ こんな悲しみだけが広がって 地球を押し潰すんだ!」 「落ち着いてくださいッ…!!」 嗚呼 メビウスのアカリ 越えてBeyond the time 🍎アカリ🍎 X DM 公式LINE ✉️arabi_akari_otoiawase@outlook.jp ご予約詳細は🈁ブログ一覧
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