～前回のあらすじ～ 前妻を甥っ子に押し付け新妻探しの旅へ   ｢色々あったけど！気を取り直して！ まずは新しい嫁さんでも探そう！｣ 己が矜持から メガラとの生活を手放したものの やはり独り身は寂しいヘラクレス そんな彼は故郷テーベから北西にある テッサリア地方のオイカリア王 エウリュトスを訪ねることにした エウリュトスはアポロンの孫にあたる 弓の名手であり、昔ヘラクレスに 弓術を教えた師でもあった 彼は国を率いる武勇に優れた人物を 広く求めていた そのため、彼と彼の息子たちを 弓術で負かした者に 娘のイオレを妻に与えると公言していた エウリュトスの息子は４人… イピトス、デイオン クリュティオス、トクセウス… いずれも父に劣らぬ弓の腕前であった ｢師匠にはもう引退してもらおう！ さすがに息子達に負ける気もしないし！｣ ｢イオレ王女も美人だし！乗るしかない！ このビッグウェーブに！｣     そして早速 オイカリアを訪れたヘラクレス ｢頼も～！｣ ｢おお！ヘラクレスじゃないか！ 久しぶりじゃのぅ！聞いとるぞ！ 凄まじい活躍じゃないか！｣ ｢師匠もお変わりなく！ 早速で悪いんですが イオレ王女を貰いにきました！」 エウリュトスとの 久々の再会もそこそこに 不躾に要件を言い渡すヘラクレス ｢なんと!このワシに弓で勝負を挑む気か? あの小僧が偉くなったもんじゃ！｣ ｢良かろう！ しかしワシに挑戦したければ まずワシの息子達を倒してみせよ！｣ エウリュトスは息子達を呼び寄せた！ ｢トクセウスは 10ｍ先の的の中心を射抜く！｣ ｢クリュティオスに射抜かれた林檎は 射抜かれた事にすら気付かない！｣ ｢デイオンは口の中で サクランボの茎を結べる！｣ ｢イピトスは弟達に優しい！｣ ヘラクレスの前に立ち塞がる 恐るべき子供達ッ…！！     １番手、末っ子トクセウス！ ｢俺の矢は10ｍ先の 的の中心を正確に射抜く！｣ ｢10ｍ先の飛ぶ鳥を落とすわ｣ (っ   ᐛ  )っ＜） ‐==͟͟͞͞ ー→🐥ｷﾞｬｧｧｧｧｧｧ ２番手、三男クリュティオス！ ｢フッ…トクセウスは 我が四兄弟の中でも最弱…｣ ｢100ｍ先を歩いてる亀を加速させるわ｣ (っ   ᐛ  )っ＜） ‐==͟͟͞͞ ー→🐢💨ｷﾞｬｧｧｧｧｧｧ ３番手、次男デイオン！ ｢フッ…茶番は終わりだ… この俺が出て来たからな…｣ ｢１ｋｍ先で寝てる兎を起こすわ｣ (っ   ᐛ  )っ＜） ‐==͟͟͞͞ ー→🐰ｷﾞｬｧｧｧｧｧｧ ４番手、長男イピトス！ ｢兄より優れた弟などいない というところを見せてやろう！｣ ｢隣国の海岸で寝てる ｢ネレウスのジジイ起こすわ｣ (っ   ᐛ  )っ＜） ‐==͟͟͞͞ ー→👴ｷﾞｬｧｧｧｧｧｧ そしてついに王エウリュトス！ ｢祖父アポロンから受け継いだ 弓の腕を見せてやろう！｣ ｢太陽射抜いてヘリオス落とす｣ (っ   ᐛ  )っ＜） ‐==͟͟͞͞ ー→( 'ω')ｷﾞｬｧｧｧｧｧｧ     …弓術合戦の結果は ヘラクレスの圧勝であった… ｢…こりゃ完敗じゃのぅ…｣ ｢父上！本当にあいつに イオレを渡す気ですか？｣ ｢そりゃ約束じゃし… そもそもヘラクレスは今や大英雄じゃぞ? イオレの夫にこれ以上 相応しい男もなかろうて…｣ ｢お忘れか!あいつは子殺しなんですよ!｣ ｢…いやでも それはもう償われたって…｣ ｢みすみす自分の孫を殺すおつもりか！｣ ｢…う～ん…確かに そう言われればそうじゃのう…｣ ｢おい、お前達！ 負けた上に往生際が悪いぞ！父上も何を 丸め込まれようとしてるんですか！｣ ｢あ～あ～またイピトスは 長男の癖に頭が固いから… 目先の約束より 国の安否の方が大事だろうがよ！｣ ｢ヘラクレスと勝負をしてみて わかっただろう！あれほど弓筋に 一点の曇りもない男が そんなことをするものか！｣ ｢実際にやっちゃってるんだよ！｣ ｢昔のことだ！人は変わるものだろう！｣ ｢いいや！ 人は同じ過ちを繰り返すもんだ！｣ ｢イピトスは黙ってろよ！ 俺達で言ってくるからよ！なあ父上！｣ ｢…むむ… これは致し方ない事じゃのぅ…｣     エウリュトスとその息子達は ヘラクレスにイオレを渡すことを 断固として拒んだ！ ｢大英雄だかなんだか知らないがな！ お前のような子殺しに 妹が渡せるかってんだ！｣ ｢なんだと!約束が違うじゃねえか!｣ ｢自分の甥っ子姪っ子が 殺されるとわかってて妹を渡す 馬鹿な兄が何処にいる！｣ ｢ぐぬぬ…罪は贖ったはずなのに…｣ ｢…すまんのぅ… ワシも孫を殺されるとわかっていて 決断するわけにもいかんでのぅ…｣ ｢お前達！父上！ 勝負に負けた男として 恥ずかしくないのか！｣ ｢だからイピトスは 引っ込んでろって！ お前のプライドだけの 話じゃねえんだよ！｣ ｢…わかったよ！もう帰る！ 師匠のその顔も見たくねえや！｣ ヘラクレス、約束を違えられ 納得がいかず激怒するも 己が過ちに引き下がり ティリュンスの王宮へと戻るッ…！ ｢おい！なんでこっちに戻ってくるんだ！ 家に戻ってるか 世界に旅立つかしてろよ！｣ ｢うるせえ！ちょっと 戻れない事情があるんだ！ 文句言うなら暴れるぞ！｣ ｢…ゆっくりしていってね！｣ ミケーネ王エウリュステウス 急に帰って来た ブーメランヘラクレスに対し 王宮への滞在を承諾ッ…！！     ～次回、ヘラクレス新たな殺人～   🍎アカリ🍎   メールでのご予約も待ってます( ∩ •  ̫•)⊃ ✉️arabi_akari_otoiawase@outlook.jp アカリの全貌はこちら♥️