～前回のあらすじ～ ヒッポリュテのこと、時々でいいから 思い出してください   ｢ほら見ろ！ やっぱりアレスの子孫なんか 役に立たないじゃないか！｣ ｢…う～ん…ヒッポリュテは 良いお嫁さんになると 思ったんですけどねぇ…｣ ｢なんだそれ！じゃあこないだの試練は ヘラクレスの嫁探しの手伝いか！？ 何考えてんだお前らッ…！｣ ｢…アレスの娘とくっ付いてくれたら なんか諍い起きて最終的に 勝手に倒れないかなって…｣ ｢回りくどいわ！ 普通に暴力で殲滅されてるじゃないか!｣ ｢それですよ！ヘラクレスがあんな 無慈悲な暴君だとは思いませなんだ！｣ ｢アマゾネスは戦闘民族だから 戦争になっただけだろう！｣ ｢否！ヒッポリュテは 美人で親切で有名でしたから！ 彼女の人気のおかげでアマゾンは 観光地としても人気だったんですよ！｣ ｢ならばなぜ俺を アマゾン観光に連れていかなかった！｣ ｢そりゃ王が未だに 甕の中から出てこないから…｣ ｢美女の楽園へご招待とか言えば 出て来たかも知れんだろうが！｣ ｢そんな簡単に釣れる魚のくせに 随分と立派な甕に入ってるもんですな!｣ ｢誰がブラックバスだ！｣ ｢大体、お土産の腰帯にアドメテ王女は 大喜びだったじゃないですか！｣ ｢お土産じゃなくて 試練を考えろと言ってるんだ！｣ ｢でも今年の王女の誕生日は 大成功したでしょう！｣ ｢それとこれとは話が別だろうが！｣ ｢パパ大好きって言われて デレデレしてたくせに！｣ ｢ぐぬぬ…！！｣     ｢いや！そもそも俺のプライベートは 関係ないだろうが！人の私生活と仕事を 公私混同してんじゃねえ！｣ ｢お言葉ですが王！ この時代の王様にプライベートなんて あってないようなもんです！｣ ｢こいつッ…！！｣ ｢むしろプライベートで友達に なっちゃえばいいじゃないですか！｣ ｢今更そんな少年漫画な展開が あってたまるか！｣ ｢でもこうなったら殺さなくても懐柔する 方法を考えたっていいじゃないですか！ 相手が怪獣だけに！｣ ｢やかましいわ！じゃあお前は そこの博士と友達だからって 生物兵器開発施設が家の隣にあっても 毎日熟睡できるってのか！？｣ ｢無茶ばかり言わないでください！ できるわけないでしょう！｣ ｢試練はもうあと３回しかないんだぞ！｣ ｢…うう…王があの怪獣に 意地悪ばっかりするからこんなことに…｣ ｢その意地悪を実際に考えて毎回 失敗してるのはお前らだからな！｣ ｢仏の顔も３度までというわけですか…｣ ｢もう既に９度目を超えるところだ！｣ ｢２度あることは３度あるとも言います!｣ ｢だから！２度どころか 今回失敗すれば１０度だ！ そもそも俺がゴネてなかったら今回が ラストになるところだったんだぞ！｣ ｢さすが王！ヨッ！ノーカン班長！ ゴネ得Ｔボーンステーキ！｣ ｢FuckYouぶち殺すぞお前らッ…！｣ ヒッポリュテのことが慚愧に耐えず ナーバス気味なヘラクレスに 第１０の試練が下される！ 『怪物ゲリュオンの牛を奪取せよ』     大洋オケアノスの西の果てにある島 エリュテイア(現イベリア半島)に住む というゲリュオンの飼う紅い牛を求めて 常人ではとても行くこと不可能な陸路を 旅することとなったヘラクレス そしてエリュテイアの前に聳え立つ 巨大な山脈に差し掛かった ｢こんな山脈を登りながら長々とした道を 行くなんて面倒にも程があるぞ…｣ ｢そもそも山脈がなくなれば いいんじゃねえか！よし！ ショートカットだ！｣ ヘラクレスは巨大な山脈に 棍棒の一撃をぶちかました！ 核弾頭並みの衝撃を 叩き込まれた山脈は… 真っ二つに割れたッ…！ それだけに留まらず！ 山脈下に横たわっていた大地までもが! その圧力に耐えきれず 諸共に吹き飛んだッ…！！ …ジブラルタル(手前の岩山)と セウタ(海向こうの岩山)の間が… ヘラクレスによって粉微塵に粉砕され… 海となった… …結果…大西洋と地中海が… ジブラルタル海峡で繋がった… 以降…わかたれた２つの山脈は… 一纏めに『ヘラクレスの柱』 と呼ばれるようになった… …ちなみに…このジブラルタル海峡の 幅が余りにも広いと考えたヘラクレス… ｢これじゃあ海の怪物どもが 地中海に押し寄せてきちまうなぁ…｣ ｢…ちょっと大陸ごとズラしとくか！｣ ヘラクレス、大陸に向かって 棍棒をドーンッ！！ …地形が丸ごと動いてズレたッ…！ 大成功！ 海峡の幅が丁度よく狭くなったよッ…!! …いくら何でもやり過ぎだろうがｯ…! いい加減にしろやいッ…！！…     ｢ふぅ…ちょっとハッスルしたら 汗かいちまったな…｣ ｢というかアフリカ暑すぎ！ 太陽の野郎め！俺を舐めやがって！｣ 太陽の熱気に激怒したヘラクレス！ 必殺の弓矢を天に向けて引き絞った! ｢暑さに苦しむ この俺のストレスを思い知れ！ サンライトクラッシュ オーバードライブッ！！｣ ヘラクレスの放った渾身の射撃が 亜音速を超えて太陽を射抜いたッ…！！ ｢( 'ω')ｷﾞｬｧｧｧｧｧｧ｣ すると、射抜かれた太陽から叫び声が… 否！矢は太陽神 ヘリオスに命中していたッ…！！ ｢ちょ…ちょっと待って… こういうのやめろ…マジでやめろ…｣ ｢フンッ！やめてほしかったら 詫びの品でも寄こしやがれ！ さっきから暑いんだよ！｣ ｢貴様…神に弓引くとは まさに言葉通りこのことだぞ…｣ ｢じゃあもう一発いってみようか！｣ ｢やめろ!わかった!わかったから!｣ 完全に降参したヘリオス ヘラクレスにお詫びとして 黄金の盃を贈呈ッ…！！ ｢そうそう！そうやって 最初から出すもん出しときゃいいのよ！ ありがとよ！｣ ヘラクレス、無理やり手に入れた 盃に乗って、オケアノスを渡るッ…!! ｢ふんふ～ん♪ オレサマ LikeA 一寸法師～♪♪｣ …余談だが、中国神話でも 太陽を弓矢で落とした 羿という英雄がいる… 多分、こんな話が作られたのは… 夏の暑さのせいでしょね…     ～次回、怪物達との激闘～   🍎アカリ🍎   ✉️arabi_akari_otoiawase@outlook.jp アカリの全貌はこちら♥️