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総合満足度:5 サービス:5

官能を呼び覚ます指先の魔術師

 「金瓶梅」には、二回目の登楼となります。透明感のある美貌の「水鈴ちゃん」とは二度目の逢瀬となりました。

 その日は朝から何かとあわただしく、ちょっとしたことながら、決して看過出来ないミスを犯して、そのモヤモヤは待合室まで引きずるという、何とも厭な感じの出だしとなりました。
 が、スタッフさんがキビキビと手際よく事を運んでくれたおかげでさほど待つことなくご案内となり、今日もチャイナドレスに身を包み、満面の笑みを湛えた水鈴ちゃんとの再会を果たすことになりました。そのとき、頭の中のモヤモヤはあっという間に雲散霧消しました。

 今回の部屋は全回にも増して豪華な雰囲気に満ち、何よりも秘め事を為すには、いささか広すぎる感はありましたが、水鈴ちゃんが私の後からすすっと部屋に滑りこんでくると、それらは部屋の雰囲気に違和感なく溶け込んで、広いながらもスッキリとした雰囲気に収まり、ひととき静謐のなかに沈み込みました。

 前回は主に水鈴ちゃんの容姿について書いた覚えがありますが、今回は彼女の姿を視界の隅に納めながらも、彼女の話「言葉と響き」に注目しながら、時間をすごしました。彼女の語り口は、明晰で滑らか、また怜悧さに満ちており、何よりも下品さや猥褻感に堕することを丹念に回避しながら、進んでいきます。また過度に媚びたり、おもねたり、ひとりよがりになったりしないので、気持ちよく話しかけられるし、会話を弾ませたりすることも可能になります。
 これから、様々な話をしてお互いに、いい意味で仲を深めていけるような予感のするやりとりをすることができました。

 プレイは、今回はマッサージをリクエストしたら、彼女は得意なテクニックらしく、喜色満面の笑みを湛えて快諾してくれました。私は彼女の導きで、ベッドに仰向けに横たわりました。その後はもう筆舌に尽くしがたい快楽が私を待っていました。彼女のしなやかな指先と爪先が、そして舌先が、私の性感スポットをつつっと這いまわったり、流れるように動いたり、ときには円を描くようにさわさわと動いたり、その都度、快感が蝟集しては膨らみ、私の身体はその快感に正直に反応することが出来ました。やがて、身体中が夾雑物を洗い流したようにスッキリし、○精の直前のような快感が全身を包み込みました。これはもう、魔法とよりいいようのないテクニックに他ならず、彼女は「指先の魔術師」と呼称してもいいのではと感じました。そうしてまだまだ、彼女のテクニックには多くの引き出しがあるのではという予感に満ちた瞬間でした。

 話は変わって、源氏名に関わる話。私は水鈴ちゃんを選ぶに当たって「水鈴」という源氏名と彼女のイメージが決めてのひとつになりました。透明な水面の表を鈴の音が響き渡って、水紋がぱあーと広がるイメージが彼女の透明感のある美貌に直接結びついたからです。私にとって水は最もビジュアルに富んだエレメントで、記憶がそのガラスのような面の映し出す、多くの幻想を釣りだし私は陶然と酔いしれます。そして鈴の音は美しい女性のメタファーとして、私に胸を締め付けられるような郷愁を呼び起します。

 私は、自宅に戻ってから新しい彼女の写真の掲載されたサイトを閲覧しました。彼女は軽く握った両手を頭の両側にあてて、一寸愛嬌のある仕草をしているが、変わらず清々しく、美しい。とこが、私は写真の隅に目を移すと、あっと思って目を瞠りました。ああ、彼女に会う前に見ておくべきだったと、午前中のあわただしさを恨めしく思いました。