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Blog@arabian時を盗む筆最近、小説を読むのにハマっている。 いや、そもそも私は 「教室の隅で本ばかり読んでいるタイプ」 の生徒だったので、 ただその熱が再燃しただけであって、 突然読書ブームが 降って湧いたわけではない。 それにしても、 「教室の隅で本ばかり読んでいるタイプ」 なる人種が、昨今 都市伝説 のように語られていると聞く。 「そんな奴、本当にいるの?」 なるほど、確かにドラマや漫画では よく見るが、現実ではほとんど見かけない。 いやいや、待て。ここにいるが? 「窓の外ばかり眺めている 謎めいた眼帯転校生」レベルの あり得なさで語られるのは、 実に失敬な話である。 目の前に 模範的な回答が こうして突っ立っているというのに。 知らぬ間に、 自分が都市伝説になっていた。 それは、 あまり気分のいいものではなかった。 幼い頃はあれほど 伝説的人物 に憧れていたのに。時の流れとは、 夢の色さえ変えてしまう力があるらしい。 何とも寂しいような、おかしいような。 さて、小説の話に戻そう。 最近読んだ小説が、 どうにも しっくりこない 。 別に純文学に明快な起承転結を 求めはしないが、 それにしても登場人物の 行動に説得力がない。 何かが足りない。 試しに調べてみると、 この小説、ドラマ化 しているではないか。 まあ、どうせ トンチンカン なことになって、 もはや別作品として見るしかないのだろう。 原作がこれだけ消化不良なのだ、 ドラマがどうこうできるわけもない。 「ひとつ、観てみるか。」 _感動した。 小説に足りていなかった 登場人物の心情描写を 事細かく補填し いらぬキャラは 統合し 、 必要のないシーンは 大胆にカット 。 その上で、物語の 核心部分 を大きく解釈して広げ、 そして 見事に風呂敷を畳んでみせた。 あっぱれである。 原作を読んで、 ドラマの方に感心することなど これまでなかった 。 いや、そもそも私は ドラマなんて所詮 メディアミックスの金儲け としか思っていなかったのだ。 それが 監督の入れ込みよう 一つで、こうも原作を 大幅に超えるものができるなんて。 しかしながら、これは甚だ 遺憾 な問題である。 なぜなら、私は この小説を読むために 多大な時間を割いた 。 膨大な文字を追い、時間をかけ、 物語を 脳内で構築し、 不足した部分は 残業よろしく 脳内労働して補完しようと 必死 になっていた。 それが、たった数時間の 映像作品にサクッと追い抜かれるとは。 なんと 不条理 なことか。 とどのつまり、何が言いたいかというと_ ノーモア時間泥棒。ビバ総合芸術。 🍎アカリ🍎 ꫛꫀꪝ✧‧˚X 公式LINE ✉️arabi_akari_otoiawase@outlook.jp ご予約詳細は🈁ブログ一覧
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Blog@arabian電車でHIPHOP電車に乗り、座席に腰を下ろした私は ぼんやりと窓の外を眺めていた。 先ほどまで歩いていた街並みが ゆっくりと流れていく。 その単調な風景に 私は何の感慨を抱くこともなく ただ時間の経過を受け入れていた。 そのときである。 電車のドアが開いた瞬間 車内に異様なエネルギーが流れ込んできた。 どかどかと乗り込んできたのは 大柄な黒人の男たちである。 それだけなら、特段気にすることもない。 だが、問題は彼らの座り方であった。 向かいの座席にも、こちらの座席にも まるで私を 包囲するかのように座るではないか。 ファミリーなのか? 本当の家族なのか それとも「名目上のファミリー」なのか。 後者であるならば 少々厄介なことになる。 *** ふと、私はオセロを思い出した。 私は今、両脇を黒に挟まれている。 もはや黄(イエロー)から黒に ひっくり返るのは時間の問題ではないか。 そうか こうして ファミリーは増えていくのか。 などと どうでもいい考察をしていた矢先 突然、向かいの男たちが口論を始めた。 「Yo, what you talkin’ ‘bout?!」 「Nah, man, you trippin’!」 私は思わず耳をすませた。 ん? 何か 妙にリズムがいい 。 いや、待て。 これは、もはや「ラップバトル」ではないか? 私は目を凝らした。 彼らは確かに口論をしているはずなのだが 不思議と韻を踏んでいるように聞こえる。 _ライム&フロー。 これが本場のHIPHOPというものか。 目の前で繰り広げられる 即興の韻踏み合戦に 私はもはや、一人の観客になっていた。 *** そこへ、車内のスピーカーが鳴り響いた。 「次は~○○駅~」 私はハッとした。 もう、降りる駅ではないか。 まことに名残惜しいが 私はここで ファミリーから 離脱しなければならない。 電車を降りる直前、 私は心の中でそっとつぶやいた。 「アメリカンなひとときをありがとう、 リトルスヌープドッグたち。 私はジャパニーズヒップホップに 帰ります。」 電車の扉が閉まり、私はふと笑った。 まるで 海外旅行をしていたかのような、 不思議な体験。 日本にいながら、 こんな異国情緒を味わえるとは。 なかなか、得した気分ではないか。 🍎アカリ🍎 ꫛꫀꪝ✧‧˚X 公式LINE ✉️arabi_akari_otoiawase@outlook.jp ご予約詳細は🈁ブログ一覧
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