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Blog@arabian蟹道⑥さしもの母上たちも私の奇行に面喰らい 部屋の外から 「何してんの!お行儀の悪い!」 「食べるなら 食卓に戻って食べなさい!」 家族総出で必死の説得が続きました しかしながら懸命の説得も虚しく 私が部屋から出た時には すっかり蟹の身はなくなっていました 後悔しているかと問われれば その実は真逆 真に清々しい気持ちでした 家族達に 「嗚呼、こいつには何を言ってもダメだ」 という諦観の眼差しを向けられることよりも 家族内限定ながらも 同調圧力に抵抗し 蟹を食べきった己が誇らしかった そう、私はあの時悟ったのです 笑いたい時に笑い、食べたい時に食べる それがルール以前に 人が人としてある本来の姿 何を恥じることがあろう 他人に謗られようと お天道様に憚ることは一切ない いつ蟹が食べられなくなるか わからない世の中だからこそ 笑って蟹を食べようじゃあありませんか 蟹食べる 食せば家族の 冷たい目 貪る姿ぞ 人の在るべき お後がよろしいようで はぁこりゃこりゃ 🍎アカリ🍎 ꫛꫀꪝ✧‧˚X 公式LINE ✉️arabi_akari_otoiawase@outlook.jp ご予約詳細は🈁ブログ一覧
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Blog@arabian蟹道④しかしながら人の反省というものは 油断と隣り合わせのハッピーセット 家族全員が食卓に揃っているにも関わらず ただただ静寂の中に 規則正しく刻を刻むかの如く木霊する 「パチンッ…パチンッ…」 そして私はつい 蟹食をしながらも横目で その音の主、母の顔を見てしまいました 母は、およそ私が人生において あれほど真剣な人間の顔はみたことがない というほどの まるでコンスタンティノーブルを 攻め落とす直前の メフメト二世の如き剛相をしていました 「プッ…!ブファアッ…!」 言い訳の仕様もない程に見ごとに 口の中の蟹が宙空を舞いました やってしまった 完全にやってしまった しかしやってしまったものは仕方がない ここは居直り強盗よろしく この後この身に降りかかるであろう ケラウノスに備えて 我が心中の泰然自若なるところに コンセントレーションすることにしよう そう覚悟していた私に しかし雷どころか 低周波すら浴びせられることは ありませんでした 🍎アカリ🍎 ꫛꫀꪝ✧‧˚X 公式LINE ✉️arabi_akari_otoiawase@outlook.jp ご予約詳細は🈁ブログ一覧
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