彼は腕立てを終えると 曇らせた眼鏡はそのままに 乱れた息を整え 規則正しいリズムでスタスタと歩き出し いつも決まって私の蹲っているところから 並びの四番目のランニングマシンを起動 数秒後、けたたましい音を立てて 猛ダッシュが始まります     その速度、時速１５ｋｍ まさに、獣 そう、彼は現代に蘇りしモノノ怪 なのかもしれません モノノ怪のカタチを為すのは人の因果と縁 声変わりした薬売りさんが 私の脳内でそう囁きます まあなんの因果かこんな夜更けに 縁のあることとはありがたいこっちゃね 心中で都合よくモノノ怪に ランニングのバトンを 渡したつもりになった私は そそくさと家路に着くのでした     🍎アカリ🍎   ꫛꫀꪝ✧‧˚X 公式LINE ✉️arabi_akari_otoiawase@outlook.jp   ご予約詳細は🈁