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Blog@arabian🤴シーモア事件~前回のあらすじ~ キャサリン・パー、没す トマスは悲しんでいるだろうか? キャサリンの喪に服しているだろうか? 否、彼はそんなこと 気にも留めてはいなかった トマスは出世欲に取りつかれた クズだった 「キャサリンが死んで莫大な遺産が入った! これで俺は英国一の金持ちだ!」 「エドワードの野郎… いつまでも護国卿の地位に 胡坐を掻きやがって…」 「必ず俺がのし上がってやる! だがまだ反乱には金が要る!」 「エリザベスと結婚すれば… 王女の多額の持参金を 反乱資金に充てられる!」 トマスは最初から エリザベスとの再婚を画策していた キャサリンには 男を見る目だけが欠けていた キャサリンは、ひょっとしたら エリザベスとの結婚に邪魔だとして トマスに暗殺されたのかもしれない キャサリンが死んですぐ トマスはエリザベスに求婚する エリザベスは当然これを拒否 この時のエリザベスの 心中は如何ばかりか... 測りかねますね… それでもトマスは 目的の為に手段を厭わなかった エドワード六世に兄の悪口を吹き込み 幼王が兄を嫌うよう仕向けた 海軍卿の立場を悪用し 商船から賄賂を巻き上げ 海賊と結んで反乱の準備を行った 造幣局の役人と共謀して 裏金から軍資金をため込んだ しかしエドワード・シーモアは そんな弟の杜撰な行動など 全てお見通しだった 「兄より優れた弟などいない」 かの北斗の三男がそう訴えていた通り エリザベス15歳の時 兄エドワードの手によって 弟トマスの陰謀が明るみに出る トマスは大逆罪でロンドン塔に収監され 33もの罪状を課せられた その中の一つに 「国王と枢密院の許可なく エリザベスと結婚しようとした」 という罪状があった このことにより エリザベスにも捜査の手が及んだ エリザベスの尋問を担当したのは 過酷で厳正な取り調べに定評のある ロバート・ティルウッド判事 「所詮は子供 すぐに本当のことを口にするだろう」 楽な仕事だと 高を括っていたティルウッド これが全くの想定外 エリザベスは手強かった あの手この手で尋問をかわす 実はこの罪状の中に エリザベスを育ててくれた 家庭教師たちも巻き込まれていた 本当のことを言えば 恩師たちはトマスの とばっちりを受けて捕まってしまう 口を割るわけにはいかない のらりくらりと、嘘も本当も言わず 尋問をかわし続けた しかし、その甲斐虚しく 先に恩師たちが耐えられず 自供してしまう トマス・シーモアは有罪となり処刑 エリザベスは必死に何とか 恩師たちを助けようと考えた すぐに直筆の手紙を エドワード・シーモア宛てに書いて送る 必死に恩師たちの潔白を訴え、懇願した その心からの懇願が エドワード・シーモアにも 届いたのだろうか 彼はエリザベスの頼みを受け入れた エリザベスの恩師たちは解放され エリザベスも事なきを得た トマスが断頭台にかけられた日 エリザベスの日記にはこう書かれてある 「今日は 知恵に富むが 判断力の欠如した男が亡くなった」 ドッと疲れと精神的ショックが押し寄せて エリザベスはまた体調を崩す この事件を通して エリザベスは痛感する どんな小さな火種でも 用心しなければならないと 皆で楽しくキャンプファイアー していたつもりが 投げられた牧の量が多すぎて 山火事になることもあるのだ 彼女は、この事件以降自領に引っ込み 装飾品も身に着けず地味な装いで 極力目立たない生活を送るようになる ~メアリーの蜂起へ続く~ ❤️🔥アカリ❤️🔥 ご連絡はこちらブログ一覧
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Blog@arabian🤴 結婚反対!~前回のあらすじ~ 妻ガチャ大当たり イングランドがついに キャサリン・パーという聖母 を得たのも束の間 エリザベス13歳くらいの頃 ついにヤツが死んでしまいます ヘンリー八世、没すッ…! 暴飲暴食からの骨髄炎・糖尿病を患い ウエストが135㎝もある肥満体で 晩年は車椅子生活であった そんな離婚王ヘンリー八世からの遺言 「エドワード六世はまだ幼いから 成人するまでは枢密院(内閣)の 全員で協力して 誰か一人が権力握ることのないように! しっかりとエドワードを補佐してね!」 そしてヘンリー八世没後の間もなく エドワード六世の叔父 (ジェーン・シーモアの兄) エドワード・シーモアが枢密院を制し エドワード六世の摂政として 最高権力を握り、政治を牛耳ります 言わんこっちゃない! いや、言っても無駄だった! 一方でキャサリン・パー ヘンリー八世が亡くなり、その息子 エドワード六世の戴冠式が終わると… 静かに宮廷を去っていきました そして四ヶ月後… かつての恋人トマス・シーモア (エドワード・シーモアの弟)と 密かに結婚ッ…! ヘンリー八世に半ば 無理やり嫁がされても 心はトマス・シーモアに あったのかもしれませんね アイツから逃げるのは不可能でしたしね しかし当然この結婚は すぐに周知のものになります エドワード6世とメアリーは 激しく反対!議会もこの結婚を激しく非難! 困ったキャサリンは メアリーに手紙を書いて 仲介をお願いすることに… しかし激怒したメアリーは キャサリンに対する支援を拒否! 事実上の絶縁を突きつけ… 妹のエリザベスにもキャサリンとの 絶縁を強要しようとしました このアマッ…!それが大恩ある 義母に対する仕打ちかッ…!! キャサリンとトマスの結婚を 最も問題視していたのは エドワード6世の摂政 エドワード・シーモアでした なにせキャサリン・パーは エドワード6世の義母& 地位的には王太后… エドワード・シーモアも エドワード6世の叔父ですが 王太后と結婚した弟トマスは 『国王の叔父』⇒『国王の義理の父』 へランクアップ 今まさに最も自分の地位を 脅かす存在となってしまっています 何としてでも弟の権勢を 阻止したいエドワード 実際、キャサリンとエドワードが宮廷で 激しく口論した記録も残っています エドワードの妻 アン・スタンホープも口論に加勢 「キャサリンには王家伝来の宝石を 身に着ける資格なんてないわ!」 …最終的にはエドワード側の主張が通り キャサリンは実質的に 王太后の地位を失い トマスとエドワードの 兄弟仲は悪化しました そんな中、我らがエリザベスは どうなったかというと キャサリンとトマスの元に 引き取られることになりました 大好きなお母さまと宮廷を出て 一緒に暮らせるようになったエリザベス これはひょっとしたら 彼女の生涯において 束の間ではありますが 一番幸せな期間だったのかもしれません そしてしばらく平穏な日々が続き… キャサリン、35歳にして トマスの子を妊娠! 過去3度の結婚で妊娠のなかった彼女は 驚くと同時にとても喜んだそうです ところが、そんな幸せ絶頂の彼女に とんでもない事態が降りかかるッ…!! ~シーモア家の暮らしへ続く~ ❤️🔥アカリ❤️🔥 ご連絡はこちらブログ一覧
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