どもアカリです 朝のクモは仇でも逃がせ 夜のクモは親でも殺せ そんな迷信がありますが 慈悲深さにおいて イエスとタイマン張れると噂のアカリ 土蜘蛛信仰なんかで神の使いとも 看做されることのある 蜘蛛を殺したりはしません …蜘蛛男はバッタ男に やられてまいましたけどね     引越し前の家の周りには木が生えてて トロールの巣と間違えて 焼き払われないか心配してたもんですが おかげでよく蜘蛛がひょっこりはん 蜘蛛はGを食べてくれる益虫なんでね 感謝で出迎えてあげんと …いやアレって Gが蜘蛛を食べる=蜘蛛がのさばっている 家にはGがいない…だったはず… 逆やんけ! どうせｱｼﾀﾞｶｸﾞﾓくらいしか 歯が立たんのやろ！ そんなやから バッタなんかにやられるねん!     まあそんな薄い雑学は置いといて 実家の猫たちと離れた 寂しさを紛らわすため いつも訪ねてくる蜘蛛に愛着を込めて ﾃﾞｲｳﾞｨｯﾄと名付け可愛がっていました 気まぐれで週一程度に現れるﾃﾞｲｳﾞｨｯﾄﾞ 「久しぶりだね、元気してた？」 ｢急に消えてはまた訪ねてきてさ」 ｢蜘蛛でも男ってホント勝手だよね｣ ｢蜘蛛の分際で人を都合のいい女扱いして 一丁前に男前気取りかい？｣ ｢何とか言いなさいよ！｣ 一人暮らしも、種を超えた友情により 寂しくありませんでした     しかし、平穏の終わりとは 突然訪れるものです ある日、流し台の隅に 力なく横たわるﾃﾞｲｳﾞｨｯﾄﾞの姿… 瞬間、頭の中にﾃﾞｲｳﾞｨｯﾄﾞとの思い出が フィルムロールのように過ぎりました 諸行無常、盛者必衰 弱肉強食、天破活殺… アカリはこの世から解脱したﾃﾞｲｳﾞｨｯﾄﾞ をそっとティッシュで包み 外の土の中へ埋めて アイスの棒を立てました ﾃﾞｲｳﾞｨｯﾄﾞへ捧げるR.I.P. 悲しみを心のオシャレ小箱にしまい込み 部屋に戻ってしばらく… ﾃﾞｲｳﾞｨｯﾄﾞが、普通に また当たり前のように現れました       ｢こいつらなんぼでもおるやんけ！ 見分けつくかい！｣ 白人に黄色人種の顔の区別がつかない 気持ちが少しわかりました 気をつけよう ひよこの仕分けも 楽じゃない アカリの心に謎の一句が浮かびました     今住んでいるところは 駅からそう遠くない 自然も少ないところで あまり蜘蛛も見かけません もしまた現れても またﾃﾞｲｳﾞｨｯﾄﾞって呼んでやりますよ     アカリ   💘ご連絡はこちら💘