アナルプラグX凍結事件
2月4日 夕方
その日もぼくはSNS【X】に大量投下されている無数の投稿を見漁っていた。少しの暇な時間さえあれば、なにか面白い投稿はないかと画面をスクロールするのは何年と続く日課となっていた。
そして目を惹く投稿がパッとスマホの画面に現れた。どうやらハイジュエリーブランドの商品を紹介する内容の投稿らしい。
アクセサリーは好きだが、さすがにハイブランドのアクセサリーに手を出せるほどの余裕はないため買ったことはない。
しかし、買ったことがなくともある程度ファッションが好きであれば誰しもが聞いたことがあるブランド名であった。
【Cartier】
パリの宝飾品ブランド、だったはず。たぶんパリ。
そのCartierが販売しているとあるシリーズアクセサリーの形がなんともなんとも珍妙なものだった。
私はすぐさまその投稿に対して引用リポストをした。
「アナルプラグ!!!!!」
件の珍妙なアクセサリーというのが、ブログのサムネイルに反映されているであろう物だ。
いやもう、それにしか見えない。完全にそうだ。
いやもうどちらがカルティエか……画像上部のブランドロゴがなければ私には分からない。
一応【指輪】らしいです。
指と指の間に挟んで使用するそうだ。(それは果たして指輪なのだろうか)
目に止まった投稿に「アナルプラグ!!!!!」とツッコミを入れて、ぼくは満足気にスマホをとじて一日を終える準備として風呂に入った。
頭からつま先まで綺麗にさっぱりと洗い上げ、さてさて新たにまた面白い投稿が誕生していないかとまたスマホからXを開いた。
【このアカウントは利用を制限されています。】
「ひゅっ…!」
喉笛が鳴り、心臓が1つ激しく鼓動した。
濡れた髪から滴る雫なのか、冷や汗なのかわからないものがこめかみから頬を伝い顎からぽたりと垂れる。
イサギ@秀明くん🫶(@isagi_miuraya2)というアカウントを凍結した、という内容の表示である。私が趣味にも仕事にも使っているXアカウント。それが凍結したのだ。
(こういう仕事のアカウントがやたらと凍結しているという情報を聞いたしな…仕方がないか……)
肩をがくりと落としながらも、自分を慰める形でそう納得するしかなかった。
しかし、警告文をよく見ると、「条件を満たせば12時間後に利用制限を解除」という内容のことが記されていた。
このアカウントが使えるようになるのであれば、条件なんていくらでも飲んでやる。条件とは一体何なのだ。さっさと教えろください。
「続ける」という表示をタップすると、その条件は表示された。
「該当のポストを削除しますか?」
という文の下には……
\アナルプラグ!!!!!/
これか……これがダメだったのか……
こんなくだらない下ネタをポストに投稿してしまったがために、私のアカウントは凍結という危険にさらされてしまったのか。カルティエにアナルプラグ発言はアカンかったか。
私は画面の指示に従い、「アナルプラグ!!!!!」を削除し、12時間の利用制限に耐えることにした。
そして無事にさきほど、その12時間が経過しアカウントは解放された。
めでたし、めでたし。