-
次の記事
-
Blog@arabian渡る世間は唐辛子⑨勝手に聞き間違えられて しばし呆然としていると 老婆は既に私の傍から離れ 近くにいた、恐らく観光客であろう 外国人の集団に話しかけていました それはそれは流暢な英語で 長いことアレコレ話していました 日本人の私とは 一問一答で終わっていた会話が なんということでしょう 「あのお婆さん 生まれる国、間違えてない?」 再びスーツケースの元に戻って来た老婆に 私は堪らず話しかけました 「英語、お達者なんですね」 「…そうね…」 …おい! 言語によって人格すり替えるなや! 見ると旅行でテンションが 青天井になっている外国人たちは スーツケース運びを快諾したらしく 老婆はそのまま「じゃあね」 「あ、ども」 こうして私のクエストは 途中で打ち切りとなりました でもね、私はホッとしたんです 「お婆さん 親切な外国人の人達がいて良かったねぇ…」 …お礼の一言くらい 言って別れろってハナシ バッキャロ 🍎アカリ🍎 ꫛꫀꪝ✧‧˚X 公式LINE ✉️arabi_akari_otoiawase@outlook.jp ご予約詳細は🈁ブログ一覧
-
-
前の記事
-
Blog@arabian渡る世間は唐辛子⑦しかもこの老婆 自分だけ折り畳み傘を広げて 雨露を凌いでいます もはや文句も言わずに雨に濡れながら スーツケースを運ぶだけの下僕と化した 私には目もくれません 「鬼にも横道は無きものを…」 酒呑童子が散り際に放った台詞が 脳裏を過りました さてはこの老婆、源氏の末裔か 「ならばこのアカリは鬼となり 貴様を喰ろうてやろう!」 そう この時の私は ここで先祖の無念を 晴してやろうかというほどに フラストレーションの溜まっていました 🍎アカリ🍎 ꫛꫀꪝ✧‧˚X 公式LINE ✉️arabi_akari_otoiawase@outlook.jp ご予約詳細は🈁ブログ一覧
-