シーザーは裸だ・在
なんて、コーラ片手にグダグダと
脳内でくだを巻いて戯言をほざきつつ
駅前のコインロッカーから
黒ジャケット取り出しこれを纏い
フルアーマーとなった。
ふと隣にあった鏡を見て、震えた。
全身にある色が、ベージュとブラックのみ。
これではまるで
裸と変わらないではないか。
肌色と黒のコントラスト。
それらが導き出すのは、公序良俗違反。
猥褻物陳列罪。
なんということか。
もしここに心の清らかな少年がいて
「王様は裸だ!」と言われたら
私はその少年を処刑するだろう。
なぜかって?
私の心はまだシーザーだからだ。
そんでもって前から思っていたのだが
あの物語の、王様に対して
空気も読まずに心無い糾弾をするあの少年。
あれを「心が清らか」として
果たして本当に良いのだろうか?
何がって、教育的にどうなのだろうか?
我が国のスローガンの基盤は
「和をもって尊しとす」であるからして
あのようにみだりに、公の場で
気持ちよく散歩をしている国主に向かって
空気も読まず、また陛下のお心持ちも弁えず
一刀両断に天然を衒って
これを糾弾するなどいうことが
果たして正しきこととしておくに
相応しいであろうか?
なんとなればこの少年の本性は
「この俺が真理を大声で叫んでやるのだ!
この俺のいうことは無条件で正しいのだ!
何故ならこの俺は大事な大事な
後世を支えるお子様だからであって
これを罰するような国主は
ろくなものではなく
他の列強国からの謗りも免れまい。
そして大人のような
汚れ切った俗物的な性根の腐った人畜を
下剋上的に再教育してやるのも
我々お子様の義務であり
また特権であるのだ!
さあ、我が言葉に恐れ戦け国王よ!
行商人如きに騙されるような暗君ならば
更に我が奸計にてこいつをたらしこみ
全権委任法を発動させ
その力を我が物にしてやろう!
心の清らかな俺こそが
終身独裁官となるに相応しいのだ!
くわつはつはつはつ」
などという恐るべき野心、目論み企みを
その矮躯に毒針のように潜ませた
スズメバチの如き
逆賊かも知れぬではないか。
ならば絶対王政の権威を守り通し
また市民の求心力を
これ以上失わないためにも
これなる逆賊を放置するという選択は
国主としてありえないのである。
百歩譲ってシーザーが許しても
私が許さない。
そして私=シーザーであるため
やはりシーザーもこれを許さない。
全方位の四面楚歌で
私の邪眼は許しはしない。
なんとなれば
「俺はいいけどYAZAWAはどうかな?」
的理論で以て断罪すること然りであろう。
🍎アカリ🍎
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